どんな経験を積むと、企業知財では市場価値が上がるのか。どうすれば知財部の社員は社内評価がアップするのか。 会社は上場企業がいいのか、それともスタートアップ企業が良いのか。 様々な疑問があると思います。 さて、これまで上場企業、非上場大企業、中小企業、ベンチャー企業で、10年以上人事として知的財産部門の社員の採用や昇格などのマネジメントを行っている筆者より、 今回は人事の目線から、知的財産部員の年収アップの具体的な手段について紹介させていただきます。  

どんな経験を積むと、市場価値をあげられるのか。

若手社員(22歳から29歳)までの場合は、特許申請から特許取得までの一連の業務を滞りなく行えるレベルのスキルを持っていると転職には有利となり市場価値が上がります。

理由としては基礎的な動きができるということで、若手の知財の経験者はそもそも人数が少なく有利となるためです。

中堅社員(30歳~35歳)の場合は、特許申請から特許取得だけではなく外国語がよく理解できる方の方が市場価値が高いといえます。

理由としては、知的財産部門を立ち上げた企業の多くは諸外国で商売を行うにあたってその製品の特許を守りたいと考えて部門を立ち上げたため、語学力の高い知的財産の経験者というだけで市場価値は跳ね上がります。

30歳を超える年齢層での転職の場合は経験があるだけではなく+αで得意分野があるという場合には非常に有利になることが多いということも理由です。

どのような経験をすると社内評価を高められるか。

企業の知的財産部門で積むべき経験としては、メーカーの場合は発明発掘(特許取得業務の中でもルーチンではなく特に嗅覚鋭く優れた発明を見つける仕事内容)に関わることが最も市場価値を高めるといえます。

理由としてはメーカーでは過去発表された製品の中から特許出願が本当はできたものがないかを探すのも大切な仕事のためです。

新製品開発に伴っての特許出願は昨今では大手のメーカーでは率先して行っているので通常業務の一部になっていますが、発明発掘は知的財産が重要視され始めてからやっと始まったという会社が多いようです。

企業が研究開発費を抑制しがちになっているからこそ、こうした工夫が求められる業務ができる人材が求められています。

年収が高くなるのは、上場企業か、それともスタートアップ企業か。

年収が高くなるのは、上場企業とスタートアップで比べた場合には上場企業の方が高くなる可能性があります。

理由としては上場企業では一般社員層の間は給料はあまり高くはありませんが役職につくと一気に年収800万円代を超えることが多いためです。

スタートアップで入社した企業がもしも大きく成長すれば年収800万円どころの年収ではないですが、安定して高い給料が欲しいという場合は上場している大企業で年収を地道に上げていくのが王道といえます。

企業知財としてキャリアを重ねていることはメリットになるか。

理系出身の企業知財としてキャリアを重ねていくことは人事的な見地から見ると、自身の価値を高めるのに有効であり、メリットになるといえます。

企業知財としてキャリアを重ねていくことがメリットかどうかは会社の経営者の方針によって左右される場合もありますが、企業知財はあくまでも管理部門の中の非生産的な部門の一つという考え方の会社もあれば、「会社の未来を守る守護神」という考え方で大切にする企業もあります。

どの会社にも共通して言えるのは、ただ事務的に業務をこなす人ではなく「技術屋としての見地から会社に特許などでお金をもたらす存在」となっている知的財産部門は大切にされますし、知財出身者が役員のように経営陣入りしている会社もあります。

また、一般的な管理部門とは異なり知的財産部門で働く方の多くは技術系の知識、経験を保有している方が多いため、知的財産でキャリアを積んでいることはリスクにならず、むしろメリットと言えます。

いざ会社がリーマンショックのような状況に襲われて知的財産部門を「非生産部門」として清算しようとしても技術系出身者は日本ではまだまだ貴重ですし、知的財産部門を必要としている企業が増えている現状を考えれば、転職もわりと容易になってきています。

部門ごとなくなってしまっても、他の部門で技術の仕事で活躍して役員を目指すということも可能なので、知財部員としてキャリアを積み重ねていくのはリスクヘッジにもなりますので、メリットであると言えます。現在知財に関わる部門で仕事をされている方には、更にご自身の価値を高めるべくキャリアアップをして頂きたいと思います。もし現職でキャリアアップを望めない環境にあるのであれば、転職をご検討頂くのも1つの手段かもしれませんね。

 


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