転職活動をするとき、目的を明確にしておかないと転職後に「こんなことなら転職しなければよかった」と後悔してしまうおそれがあります。今回は、特に企業知財部から別の企業知財部に転職するときに、どのような観点で転職活動の準備をすべきかをご紹介したいと思います。

目的を明確に!「なぜ転職するのか」をはっきり言葉で言えますか?

転職活動を始めるとき、必ず何らかの理由があると思います。面接のときに「なぜ、転職活動をしているのですか」という質問に対して明瞭かつ簡潔に答えられなければ、おそらく転職活動は失敗するでしょう。

転職理由が「キャリアアップのため」の場合、そのキャリアアップの内容について、明瞭且つ簡潔に言えるでしょうか?また、自分のキャリアアップの道筋を知財部門の業務に当てはめて言えるでしょうか?

オーソドックスな面接の質問ほど、意外と明確に答えられないものです。相手がキャリアコンサルタントの方であれば、あれこれ話が盛り上がるのですが、面接試験ではそうはうまく話が盛り上がらないものです。

例えば、転職理由を聞かれて、「キャリアアップをするため仕事の幅を広げたいと思い、転職活動をしています」という回答をしたとしましょう。その時、面接官は次の質問をしてくると思います。「今の職場では、仕事の幅を広げられないのですか?仕事の幅を広げる努力や提案はされましたか?」「あなたにとって知財部門の仕事の幅とはなんでしょうか?」という質問です。

これは、当方が転職活動をしていた時に面接で質問され、うまく答えられなかった質問です。もちろん、面接試験で不合格となりましたが、次の他の会社の面接で同じ質問がされても答えられるように準備をしたことで、転職活動の目的が明確になり、結果、内定を頂きました。

転職活動を始めるときはもちろんですが、転職活動がうまくいかないときも、今一度、転職理由について自問自答してみるのもよいと思います。

前職の実績をいかにアピールするか

企業知財担当者としてキャリア採用の書類審査をすることがあるのですが、その時、企業の知財部門に所属している方の職務経歴書を見ると、「特許出願 年間●●件、拒絶理由通知 年間●●件…」と延々と出願等の処理件数の実績を羅列されている方をよく見ます。

確かに、その方の実績なのですが、企業の知財部門の中途採用をするときは、「1年間で何件の処理をしたか」よりも「出願業務の結果、どのようなことを会社に与えたか(貢献できたか)」という実績の方が重要になります。

特許の明細書を自分で書ける人、拒絶理由通知の意見書を自分で書ける人は企業でも重宝されますが、そのような書面作成が得意な人を募集するのであれば、特許事務所出身者を採用することが多くなります。

企業の知財部門から他の企業の知財部門に転職する場合は、出願業務で何を生み出したか、どのような人を巻き込んで、どのような変化を会社にもたらしたか、その実績をいかに転職活動でアピールできるかが成功のカギになると思います。

知財部門の面接官はこんなことを考えている

項目2でお話したように、一般的な知財部門の面接官は「知財の出願や応答業務を通して、どのように会社に貢献してくれるのか」を見ます。

転職希望先の企業において、既に知財部門がある場合、発明の発掘から特許権の権利化までのルーチンワークのインフラは一通り揃っているでしょう。このように知財部門の地位が会社の中で確立されているような場合は、発明の数が増えてきたからキャリア採用をする場合もありますし、グローバル化や新規事業の拡大により既存のメンバーでは手に負えないためにキャリア採用する場合もあります。

いずれの場合でも、既存のメンバーと同じ目線の人、同じスキルの人では中途採用に至りません。中途採用に関するコストも決して安いものではないですし、中途採用をするからには何かしら会社に「新しい風」を期待するからです。

知財部門の転職の面接では、ぜひ、自分がどれだけ「新しい風」を次の会社に吹き込めるかをアピールしてみてください。

人間関係を大切にする

企業の知財部門にいると、日本知的財産協会や業界の知的財産部会の交流会に行く機会も多いと思います。

知財の世界は、企業や特許事務所を問わず、意外と狭いものです。したがって、○○さんが△△会社に転職した、といった噂はあっという間に広がります。

最後に

昨今の転職市場においては、企業よりも転職者の方が有利な市場環境だと言われています。しかしながら、「成功した」といえる転職ができるかどうかは市場環境とは関係ないと思います。「転職に成功した」と言えるためには、転職活動において、目的をいかに明確にし、転職先でその目的が達成できるかを面接試験において納得できるまで確認できるかどうかだと思います。

転職活動はさまざまなリスクが伴う行動ですが、一方で、自分の活躍の場を広げられる手段であるともいえます。転職活動をした結果、転職しないという選択肢もありますし、自分の評価を客観的に見るために、「転職活動をしてみる」というのも選択肢の一つとして加えてみるのもよいことだと思います。


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